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2022年9月9日のマーケット・コメント

日経平均とドル円の相関係数の推移

 

今週はドル円が、週明けの140円程度から一気に145円トライまで急上昇し、そのスピードには驚かされましたが、その間、日本株には何の材料にもなっておらず、今日は黒田日銀総裁が「1日に2円も3円も動くのは急激な変動と言え、急激な変動は不確実性を大きくするため望ましくない」と発言したことを受け、現在は142円台前半まで調整していますが、今日もドル円の変動が日本株の材料になった形跡はありませんでした。

 

今週の、日本株がドル円の激しい変動に何も影響されていないことについて、多くのメディアの方々から質問され、その度に9月7日付コメントの後半でご説明した内容をお答えしました。今回は角度を変えて、そもそも日本株とドル円の相関はどのように推移してきたか、という歴史を振り返ります。

日経平均とドル円の相関係数(過去25年)

添付チャート上部が過去25年間の日経平均とドル円の推移、チャート下部が相関係数の推移です。(チャート中部は何を表しているか不明)ご覧いただきますように、2005年半ばまでは順相関(緑)になったり逆相関(赤)になったりしており、総じて言えば「日経平均とドル円には相関はない」という状況でした。2005年半ばの小泉解散以降は、円安株高の順相関が強まり、2008年のリーマン・ショック以降は順相関が低下して、2009年終わりには一瞬逆相関になり、2010年には円高株安の順相関が高まり、その順相関は東日本大震災以降低下して再び一瞬逆相関になるものの、2012年11月の当時の野田首相の衆議院解散予告以降は、いわゆるアベノミクス相場の中、円安株高の順相関になり、その状態は2020年2月のコロナ感染拡大開始まで続き、コロナ以降は順相関が低位で推移し、2022年前半に円安ドル高進行で一瞬順相関が高まるも、ここにきて逆相関に転じています。

 

結論として何が言いたいかというと「日本株とドル円の間には定まった相関は存在しない」ということです。2010年から2012年ごろは、盛んに「円高株高」と叫ばれ、2012年11月以降のアベノミクス相場では、盛んに「円安株高」と叫ばれました。そのイメージが強く残っていることに加え、現在の市場では、リーマン・ショック以前は、ドル円が日本株の変動材料にならない時期が多かったということも、記憶にない方々も多いでしょう。

 

さて、今日でメジャーSQが終わり、頑張って上に持っていく勢力は姿を消したはずですが、米国株が下がってくれないと日本株の帳尻合わせの下げも起こりません。昨日のECBの0.75%の利上げやパウエル議長証言は材料になりませんでした。次の注目材料は13日の米CPI、15日の米小売売り上げ、21日のFOMCです。FRB高官による数々のタカ派発言により、市場が織り込む21日FOMCでの利上げ幅は、ほぼ0.75%となり、その後の織り込みは11月2日は0.50%、12月14日は0.25%、年明けもう1回0.25%の利上げで利上げ終了。状況次第で早ければ2023年9月から小幅利下げ開始、となっています。しかしFRBが資産デフレ(株価と不動産価格の下落)もインフレ沈静化のために活用しようとしているとすれば、現在の市場の織り込みはFRBにとって極めて不都合です。

 

もしFOMCで9月21日までの米国株の下落が甘いと判断されるなら、FOMCでは「来年もしばらくは利上げを継続し、利上げ終了後も最短でも1年程度は高金利を維持する。そのくらい今回のインフレは手ごわく、FRBはインフレ沈静化を達成するために、そのほかの要素(景気、リスク資産価格、労働市場)を犠牲にしても、徹底的に戦う覚悟だ」くらいの内容が盛り込まれる可能性が高く、その内容はあらためてネガティブ・サプライズとなるでしょう。9月21日までに6月安値程度まで米国株が下げているようなら、トーンは少し弱める可能性はあるものの、来年の利下げ可能性は否定してくると思われます。